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鉄が紡ぐ美と用の系譜――職人が解き明かす「アイアン家具」の歴史と空間設計の真実02

2026年9月7日

第2回:【産業革命と鋳鉄の登場】大量生産時代の幕開け!ヴィクトリア調ガーデンファニチャーと鋳物家具の進化

第1回では、中世ヨーロッパの鍛造技術から始まった「アイアン家具」の起源と、無垢鉄が持つ構造的な強度について解説しました。第2回となる今回は、鉄の歴史における最大の転換点となった「産業革命」と、それによって生まれた「鋳鉄(キャストアイアン)家具」の進化について解説します。

「愛知県」の「豊橋市」や「名古屋」エリアで「鉄製家具」や「アイアン」を取り入れた空間づくりを検討される際、アンティーク調の繊細な装飾が施されたベンチやテーブルを目にすることがあるかと思います。

鉄の加工と構造を熟知した「谷元工業」のブランド「&Feデザイン」が、手作業の鍛造から機械化へと進んだ産業革命期の鉄製家具の歴史と、現代の家具選びにも直結する鋳物製品の特性・リスクについて忖度なく解説します。

  1. 産業革命がもたらした鉄の民主化と「鋳鉄家具」の爆発的普及

18世紀後半から19世紀にかけてイギリスで起きた産業革命は、製鉄技術に劇的な革新をもたらしました。

それまで鍛冶職人が1点ずつ叩いて成形していた「鍛鉄」に対し、溶かした鉄を型に流し込んで成形する「鋳鉄(キャストアイアン)」の技術が確立されたことで、極めて精密で複雑な植物文様や曲線を、均一かつ大量に生産することが可能になりました。

この時代(ヴィクトリア朝)に誕生したのが、公園や貴族の庭園を彩る優美なガーデンベンチや、カフェテーブルの装飾脚です。鉄の重厚さと優美な芸術性を両立した鋳鉄家具は、富裕層だけでなく一般家庭のインテリアや屋外空間へと急速に広がっていきました。

  1. 【見落としがちな現実】鋳鉄(キャストアイアン)が抱える構造的リスク

型に流し込んで作る鋳鉄家具は、華やかな意匠を安価に再現できる反面、素材としての弱点も持ち合わせています。

  • 「衝撃に対する脆さ(割れ・欠け)」のリスク

鋳鉄は圧縮される力には非常に強いですが、粘り(靭性)が低いため、強い衝撃や曲げの力が加わると、曲がらずに突然「パキン」と割れてしまう脆性破壊のリスクがあります。

  • 「重量の過大化」による移動や床への負担

肉厚な鋳物製品は非常に重く、室内の模様替えや移動が困難になるだけでなく、フローリングを傷つけたり床のたわみを引き起こす原因になります。

  • 屋外使用における「サビの固着と破損」

アンティーク調の風合いを優先して防水・防錆加工が不十分な場合、雨水によって内部組織までサビが浸透し、ボルト接合部から折損する危険性があります。

  1. &Feデザインが追求する「現代の製鋼技術とクラフトマンシップの融合」

歴史的な鋳鉄の装飾美は素晴らしいものですが、現代の住まいや店舗で求められるのは、よりスマートで強靭、そして永続的に使える機能性です。

「谷元工業」が手掛ける「&Feデザイン」では、割れやすい鋳鉄や薄いパイプ材ではなく、粘り強さと高強度を誇る良質な「鋼材(スチール)」を厳選して使用しています。最先端の溶接技術と熟練の職人技を組み合わせることで、無駄な厚みや重さを削ぎ落とし、細身でありながら抜群の剛性を誇る現代のアイアン家具へと昇華させています。

次回の第3回は、装飾から機能美へと価値観が大きくシフトした「【バウハウスとモダニズム】スチールパイプが変えたインテリア!機能美を極めたモダンアイアン家具の誕生」について詳しく解説します。

 

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